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おりものとは医学的には、帯下(たいが)といいます。おりものを具体的いいますと、外陰部や膣、子宮などの女性性器から出る分泌物が増え、本人が自覚できる状態を指します。
おりものには、生理的な現象による生理的ものと病気が原因で起きる病的なものがあります。
おりものの臭いと量が気になる場合、原因としてはいくつかあります。病気が原因の場合や膣内の傷が原因で、おりものが増えた結果、おりものに臭いを感じる場合。元来、その人自身が持っている体質的な場合もあります。 |
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生理的原因
子宮膣部びらんからの分泌物
子宮膣部びらんとは子宮頚管の細胞が子宮口にせり出た状態のことです。そこから出た分泌物が膣を通って外に出て、おりものとして感じられます。子宮膣部びらんは女性の半数以上に見られるといわれています。尚、子宮膣部びらんは病気ではないので特に心配はいりません。
性交時に出る分泌物
性的に興奮すると、外陰部や膣、子宮頚管などからの分泌物が増加し、これをおりものと感じることがあります。
排卵期の子宮頚管粘液の増加
生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数を月経周期といいますが、月経周期の真ん中に位置する排卵日の直前に、子宮頚管の分泌線からの分泌物が増加し、それが膣から出るため、おりものととして感じるようになります。
卵巣から分泌される女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)のうち、排卵前には卵胞ホルモンが増加します。卵胞ホルモンには、子宮内膜を増加させたり、子宮頚管の粘液を分泌させる働きがあるため、卵胞ホルモンの増加につれて、子宮頚管の粘液の量も増加します。
排卵日が過ぎると、卵胞ホルモンが分泌されていても、子宮頚管の粘液の量は減少します。これは、排卵後に卵巣から分泌される、黄体ホルモンの働きによるものです。黄体ホルモンは卵胞ホルモンの働きを抑制する作用があります。
生理的帯下の多くは、粘液状で白い色をしているという特徴があります。またこれらは生理的現象に伴うものですから、特に治療の必要はありません。
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病的原因
感染症
性器にウィルスや細菌などの病的微生物が感染して起こるものです。病的帯下の原因のうち最も多く見られます。代表的なものに、膣トリコモナス症や膣カンジダ症があります。
膣トリコモナス症
トリコモナス原虫が膣に感染して発症します。症状としては、女性では大量のおりものとかゆみが現れます。多くの場合、黄色く膿のように粘り気ががあります。また、分泌物が泡沫状(泡だっていること)になっていることもあります。性行為によって感染しますので、特定のセックスパートナーがいる場合は、相手も治療する必要があります。
膣カンジダ症
病的おりもので多く見られる原因です。カンジダ真菌というカビの一種によって起こります。帯下は白あるいは黄色っぽいチーズ状の固形物が見られます。詳しくは「性病、性感染症」をご覧下さい。
これらの細菌の感染は、治療せずに放置しておくと、外陰部や肛門などに拡大し、簡単に治らなくなりますので、注意が必要です。
子宮頚管炎
子宮の入り口にあたる子宮頚管に、細菌などが感染して炎症が発生します。おりもの以外にも下腹部の痛みなどが起こることがあります。
子宮内膜炎
子宮の内膜を覆っている子宮内膜に細菌などが感染して発症します。帯下以外に、不正出血や下腹部の不快感などを伴うこともあります。
卵管炎
細菌が膣から入って、子宮を経て卵管に感染することによって炎症を起こします。おりもの以外にも、卵管の腫れや下腹部の痛み、発熱などを伴うこともあります。
老人性膣炎
高齢になって排卵がなくなると、卵巣から分泌される卵胞ホルモンが減少し、膣の粘膜が乾燥して萎縮します。すると炎症を起こしやすくなります。
炎症によって生じるおりものの多くは、黄色く膿のように粘り気があります。
悪性腫瘍
悪性のものには、子宮がんがあります。子宮がんには、子宮の入口にできる子宮頚がんと子宮内膜にできる子宮体がんがあります。おりもの以外には、不正出血などがみられます。また、ごくまれに卵管がんの場合もあります。
良性の腫瘍
子宮頚管ポリープ、有茎性膜下筋腫や粘膜下筋腫などの一部の子宮筋腫でも、おりものが起きることがあります。腫瘍による場合、多くは出血を伴うため、褐色のおりものが見られます。卵管がんの場合は水のようなおりものが多量に出るという特徴があります。
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享福漢方薬局の薬剤師は女性です
痛みや出血等、明らかな症状があっても、なかなか医療機関を受診しない人がいます。特に10代の女性は産婦人科に行くことに対する羞恥心が強いほか、月経や性に関する悩み事を恥ずかしく思いがちです。
また、高齢の女性では、医療機関に行くと、痛いことをされるのではないか、悪い病気だったらどうしよう・・・などといった心配もあることでしょう。そのため出血などで下着を汚しても家族に隠す人が少なくありません。その結果、重大な病気の発見が遅れて手遅れになることもしばしばあります。
女性特有の症状も、女性同士なら話していただけるのではないかと思います。些細な事でも、気になることがありましたら、まずはメール又はお電話にて、ご相談ください。
メールアドレス kyoko@kyofuku.co.jp 健康相談電話 052-861-5518
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