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産後うつ(マタニティーブルー)
マタニティーブルーは、産後3〜10日にホルモンの分泌の急激な変化で起こります。出産による精神的な疲れや育児への不安などから、一時的に起こる症状ですが、多くの人が経験して、2週間ほどで収まってきますので、あまり心配はいりません。

産後うつは、これより重症で1年を過ぎても症状は取れず、長い人は何年も苦しむことがあります。社会的サポートの不足や夫の非協力によって、産後うつ病が起こる可能性はさらに高まります。家族や両親などの協力を得ながら、助産師の助言や育児仲間の相談、時には気分転換をはかり、何事も一人で背負い込まないようにすることが大切です。

症状は精神的にも肉体的にもあらわれます。精神的には、イライラして些細なことが気になる。悲観的になったり、憂鬱になり、育児や家事をする気力がわかない。その為、あせりや罪悪感が出てきます。また、周りからなまけものようにみられていないかという不安感が出てきます。人間関係が煩わしくなって、以前あった趣味や興味もうせる。集中力、記憶力、判断力の低下。エスカレートすると、育児虐待も出てきます。

肉体的には胃もたれ、吐き気、食欲不振、下痢、便秘などの胃腸障害、眠れない、ねむりが浅い、朝早く目が覚める、朝がだるい、息切れ、めまい、頭痛、肩こり、微熱、倦怠感、冷や汗、性欲の減退、生理不順や不正出血などの症状があらわれます。

西洋医学の治療
うつと診断されますと、治療は薬物療法とカウンセリングが中心になってきます。抗うつ薬や抗精神病薬が治療薬として服用します。
抗うつ薬としては、三環系抗うつ薬(トリブタノール、トフラニール、アナフラニール、アモキサン )。四環系抗うつ薬(ルジオミール、テシプール)、トリアゾロピリジン系(レスリン、デジレル)。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(デプロメール 、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト)。抗不安薬(デパス、ソラナックス、レキソタン、メイラックス、ワイパックス、リーゼ、セルシン、コンスタン)お薬の中には母乳に移行するものがありますので、医師と相談の上、服用してください。

東洋医学の治療
育児は楽しく子どもの成長をみるのは、うれしいものです。その反面、睡眠不足や過労で肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまう場合があります。漢方薬は気力、体力を上げるものや、自律神経を正常に戻し、女性ホルモンのバランスを整えるもの、不眠症を改善するものなどを組み合わせていきます。

気力、体力を上げるものには、補中益気湯、十全大補湯、小建中湯、六君子湯、自律神経を正常に戻し、女性ホルモンのバランスを整えるものには、キュウ帰調血飲、温経湯、加味逍遥散、抑肝散、半夏厚朴湯、香蘇散、桂枝茯苓丸、柴胡桂枝乾姜湯、不眠症を改善するものには、加味帰脾湯、帰脾湯、四物湯などがあります。漢方薬は、体に合っていれば、母乳を上げていただいても問題がありませんが、自己判断せずに、専門家に御相談ください。

また、カウンセリングをすることで、自分の悩みを打ち明けたり、辛さを分かち合える時間が必要です。そうすることで、気持ちが穏やかになることもあります。私が今まで経験してきた方の多くは、生真面目で几帳面な方です。少しぐらいいい加減でも十分大丈夫な方がほとんどです。少し肩の力を抜いていけば、症状も早く軽減します。
産後の痔
妊娠月数が進むと、血液の循環が悪くなり、うっ血しやすく、妊娠すると便秘がちになり、痔になることがあります。特に普段から痔の傾向がある人が、分娩時に強くいきむために脱肛になり、その上に会陰裂傷や縫合をした場合の痛みとの両方で、便意があっても、りきめないくなることがあります。それでまずます便秘が酷くなり、痔になることもあります。

また、授乳により体内の水分が不足して、便が硬くなり、肛門が切れやすくなります。それ以外にも、育児や出産のストレスから便秘がちになり痔になるなどいろいろな原因が考えられます。まず、肛門周辺の清潔を保ち、便秘しないように食事に気をつける、硬い便を無理やり出そうとしないことです。

西洋医学の治療
座薬や軟膏を用います。また便秘が痔の悪化の原因にもなりますので、整腸剤や下剤が処方されます。症状が重い人は、手術の適応になることもあります。内服薬はサーカネッテン、ヘモクロン、ヘモナーゼ、キモブタ、軟膏、座薬には強力ポステリザン、ボラギノール、プロクトセディル軟膏、座薬、ネリプロクト、便秘薬酸化マグネシウム(カマグ)アローゼン、ラキソベロン、整腸剤ラックビー、ビオフェルミンなどです。

東洋医学の治療
東洋医学では痔はお血(血の流れの停滞やうっ血)と、とらえます。駆お血剤として、乙字湯、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、桂枝茯苓丸、通導散、田七人参などを用います。また、体力が無く、弛緩ぎみの人には、補中益気湯、黄耆建中湯、帰耆建中湯、出血傾向がある方には、きゅう帰膠艾湯や温清飲、黄連解毒湯などを用います。塗り薬としては、紫雲膏があります。
乳腺炎
乳腺炎は、化膿菌が乳房に入り、炎症を起こしたものです。授乳を始めて間もない時では、赤ちゃんが上手くお乳を吸ってくれないことがあります。その為、母乳が乳腺内にたまりすぎてしまい(乳汁滞留症)乳房は赤く脹れあがり、胸が痛み発熱さえしてきます。この状態をが続くと乳腺炎になりやすくなります。

乳腺炎の始めは、赤くはれて硬くなり、痛みと発熱の自覚症状がおきます。その後、化膿が進行し、膿がたまるにつれてその箇所がぶよぶよしてきます。化膿につれて痛みは多少和らぎます。しかし、ついには化膿箇所を切開し、排膿しなければならないほどの症状になるのです。

乳房に母乳が溜まっている場合は、まず、母乳を出すことです。赤ちゃんに飲んでもらうことが一番ですが、上手くいかないときは、乳房マッサージや搾乳器で、母乳を出し切ります。乳腺炎になったときは、水分の取りすぎには注意しましょう。

西洋医学の治療
乳腺炎になって、化膿している場合は、授乳を中止して治るまで刺激を与えないようにします。同時に抗生物質と消炎鎮痛剤を服用します。

東洋医学の治療
乳腺炎の症状に、発熱やリンパの腫れがあります。その場合は、葛根湯、桂枝二越婢加朮湯を用います。また、化膿している場合は、排膿、消炎作用のある十味敗毒湯、排膿散合排膿湯などを用います。しこりや痛みには、うっ血を良くする桂枝茯苓丸や通導散を用います。その他に、ゴボウの種子である牛蒡子(ごぼうし))やタンポポの根である蒲公英根(ほこうえいこん)を煎じて服用することもあります。牛蒡子は、解毒消腫、解熱作用の効能を持ち、発熱や腫れの乳腺炎には、良く用いられます。蒲公英根には、清熱解毒、消腫散結の効能を持ち、通乳に働きかけ乳瘍の要薬となっています。同じように、タンポポコーヒーなどもあります。
産後の脱毛
産後に一時的に抜け毛が多くなったり、髪が痩せるなどして髪が薄くなったと不安に感じたりする方は多いと思います。原因としては、女性ホルモン、特にエストロゲンの変化や妊娠中に髪に必要な栄養が胎児に取られてしまうことが考えられています。

妊娠中、特に後期は、女性の体内のおいてエストロゲンなどの女性ホルモンが急激に増加します。エストロゲンは、毛髪の寿命を伸ばし維持する作用があるため、本来抜け落ちる髪がそのまま成長してしまいます。そして、産後しばらくすると、妊娠中に分泌量が増加していたエストロゲンが正常値に戻るため、本来、自然脱毛する予定であった休止期にある毛髪が一気に抜け落ちるため、急に抜け毛が増えたと感じるようになるのです。

女性ホルモンのバランスが正常に戻る産後6ヶ月から1年くらいの期間で徐々に回復します。しかし、産後のストレスや栄養不足で回復が遅れたり、円形脱毛症を併発してしまうこともあります。

東洋医学の治療
東洋医学では、髪は血と考え、血虚を改善します。血虚とは血の持つ栄養及び滋潤作用の低下です。血虚になると、皮膚に色艶がなく、肌ががさつく、頭がぼーとする、冷え性、立ちくらみ、髪の毛が抜けやすい、細くなる、月経量が少ないなどの症状がでます。血を増やす処方、四物湯、きゅう帰膠艾湯、十全大補湯を中心に、コラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミン、ミネラルを補充していきます。
痛みや出血等、明らかな症状があっても、なかなか医療機関を受診しない人がいます。特に10代の女性は産婦人科に行くことに対する羞恥心が強いほか、月経や性に関する悩み事を恥ずかしく思いがちです。

また、高齢の女性では、医療機関に行くと、痛いことをされるのではないか、悪い病気だったらどうしよう・・・などといった心配もあることでしょう。そのため出血などで下着を汚しても家族に隠す人が少なくありません。その結果、重大な病気の発見が遅れて手遅れになることもしばしばあります。

女性特有の症状も、女性同士なら話していただけるのではないかと思います。些細な事でも、気になることがありましたら、まずはメール又はお電話にて、ご相談ください。

  メールアドレス kyoko@kyofuku.co.jp    健康相談電話  052-861-5518


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